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加害の心理 14 悪の種

[4月27日(金)]
電車通勤1日目。朝の満員電車に乗るのは初めてだった。
上り線も下り線も、1時間に1本しか発着がない所に、田舎らしさと車の必要性を感じる。
現に電車内のほとんどは高校生で、遠足かと思う位に賑やかだった。
会社には始業開始30分前に着いた。他の部署の見知らぬ人達に混じって一服した。
行政処分者達に比べれば、時間通りに出勤し、同じ社服を着て仲良くやってる皆が可愛らしく思えた。


[4月28日(土)AM11:00頃]
歯医者から紹介してもらった口腔外科医院に向かった。予約した時刻が迫っていた。
県縦断駅伝がある為、車道は通行規制されていて、歩道には応援する人達が立っていた。
幼稚園児たちは誰にでも「 がんばって〜 」と言い、自転車に乗った俺も応援されてしまった。
少し困惑しながら人の合間を抜けた時、違和感を覚えて上着のポケットを探ると、入れていたはずの口腔外科の紹介状が無くなっていることに気付いた。
来た道を探しながら戻り、それから何往復かしたが、見つからなくて帰って来た。
今回の件は無かったことにして、別の歯医者から別の病院を紹介してもらおうか、などと考えた。今までの俺だったらそうしている。
すると間もなく、紹介状を書いてくれた歯医者から電話が掛かって来た。
歩道にいた幼稚園の先生が紹介状を拾って、封筒の印刷を見て連絡してくれたのだった。
早速その幼稚園に行き、お遊戯している園児達の脇を抜けて先生に会い、返してもらった。
口腔外科には別の日に予約し直した。
情けないやら申し訳ないやら。一体俺はどこまで行くんだ、と思った。
免停にならなければ、いや、事故を起こさなければ、こんな事は起こらなかったはずだ。
車だったらポケットから物が落ちても車内に残るし、少々の時間の遅れはスピードを出せば取り戻せる。
‥‥そういうのはもう通用しないんだ。
自転車に乗る以上、荷物はバッグに入れるべし、雨・風・不測の事態に備えるべし。
高校時代の自転車通学を思い出せ。アナログで非効率な繰り返しにも不満を抱かなかったあの頃を。
それからいい加減、人から逃げないこと。変化に応じること。


[PM15:00分頃]
車の交換用部品が見つかったそうで、朝、修理工場の人が預かりに来た。
その車がすっかり綺麗になって戻って来た。
修理費用は228,961円で、保険会社から工場に直接支払われるという。



[5月2日(水)AM9:40 事故から34日後]
電車とタクシーを使って検察庁へ。入り口で係の人に手紙を見せ、来庁者名簿に署名すると、首からぶら下げる番号札を渡された。
待合室では西村雅彦主演の『 もしもあなたが選ばれたら 』という映画のビデオが流れていた。
建物は古く、窓が閉まっていても雨音が聞こえた。役所とも警察とも違う雰囲気に緊張が高まった。
指定時刻になり、1人の検察官が迎えに来て、事務所のような部屋に案内された。
机がいくつかあり、もう1人別の人が向こうにいたが、こちらを見ることはなかった。
検察官と机を挟んで向かい合い、聴取が始まった。聴取は『 被疑者供述調書 』の確認がメインで、警察官と同じようにノートパソコンに入力しながら聞いていた。
最初に本人確認するから免許証見せて、と言われ、警察から没収されたので保険証を持って来ました、と答えたら驚いていた。
検察官は、俺が行政処分を受けたことも、被害者が退院したことも知らないのだった。
つまり書類は、普通の日、普通の道、普通の交通量だったのに異常な行動をして人を負傷させた! そういう風に見えるのである。
この犯人は異常である。悪人である。罰を与えて懲らしめるべきである‥‥そういう視点で見るのが検察の仕事のようだった。
信号待ちの時は何を考えていたかと聞かれ、特に何も考えていない、と答えると、右折するなら右折の心構えをして待つべきじゃないのか、と怒り気味になったりするのが恐かった。


それから、被害者には何月何日、何円相当の物を持ってお見舞いに行ったのかを聞かれた。
俺と俺の両親は別々にお見舞いに行っていたから、聞き出しておいて良かった。(両親は週末毎にお見舞いに行ってくれていた)
検察官にとっては、任意保険に入っているかどうか、物品で謝罪の意を示したかどうかも、悪人の判断基準になるらしかった。
ひと通りの聴取が終わると、印刷された『 被告人供述調書 』にハンコを求められ、そして略式起訴の説明を受けた。
「 〜すべき所をしなかった 」と沢山書かれてあるこの調書に異議が無ければ、検察は公判を求めず、簡易裁判所の判断に任せて罰金刑(略式命令)を下してもらうのだという。
俺は異議もなく、娑婆の生活を望むようになっていたから、そのまま『 略式命令請求同意書 』にハンコを押した。
俺と似たような過去事例では、罰金は30〜50万だったという。
後日、振込用紙を送るから、命令に従って期日まで納付するように、と言われた。


あの日、なぜ不注意を起こしたのか。なぜ集中していなかったのか。
検察官はこう読み解いていた。
「 18歳で免許取ってから13年経ってるんだな。その間、シートベルト違反とか踏切不停止とか、軽い違反しても反則金払って済ませてるな。でも今まで大きな事故は起こさなかったから、この運転の仕方で大丈夫って思い上がってたんじゃないのか?
この言葉は胸に突き刺さった。
無事故無違反、または軽微な違反しか経験していないと、いつの間にか” 我流運転 ”になるから気を付けろ、と処分者講習で言われたばかりだった。
俺は13年掛けて我流運転と、我流生活に磨きをかけて来たんじゃないだろうか。
加害者予備軍にいることを薄々感じながら、平和な現実も感じていた。
人と関わらなくても、会社と家を往復さえしていれば生きて行けた。それが楽な生き方だった。
でも次第に、会社と家を往復することしか出来なくなっていた。
体力や展望する力、そして真剣さを失いながら、悪の出口に向かっていたのだ。



[PM15:00]
やっと口腔外科に来た。レントゲンを撮って診てもらったところ、斜めに生えた親知らずは虫歯になって、周辺の歯茎が炎症を起こしているらしい。
食事の時はそっちで噛まないようにしているが、不意に食べ物が当たるとズンと痛むようになっている。
親知らずの抜歯は簡単なものじゃないし、平日に充分時間を取らないと出来ないから、手術予定日まで我慢して下さい、我慢出来ない時は痛み止めの薬を出します、と言われた。
俺は先月だいぶ仕事に穴を開けてしまったから、平日休みは取り難い。
免停が明ける5月25日に有給を取って、その日にやってもらおうと考えた。
しかしそれは、良くない選択だった。

つづく

2007年07月10日 12:13 
日記 (プチ事件・トラブル) | comments(0) |

プロペシア2ヶ月経過

◆プロペシア開始から1ヶ月間の変化(4/26〜5/26)
まず最初に、頭部の皮脂量が減ったように感じた。1日以上経っても、髪はベタベタのペチャンコになることは無くなった。

枕に付く抜け毛は、ここ何年かは細く短い毛ばかりだったが、フツーの長い毛だけになった。

頭頂部の発毛が始まり、見た目と、洗髪の時の手触りが変わった。それまでは洗髪の時、ツルツルの地肌に触るイヤな感覚だったが、今では髪の手応えがある。

男性ホルモンの頭への攻撃をブロックした途端、これだけ良い変化が現れたということは、逆に言えば、本当は常に脱毛攻撃を受けてるんだ、と思うと恐ろしい。


ただし、この1ヶ月間は、生活スタイルが以前と大きく変わったので、プロペシアの効果だけとは言えない。

免許停止の為、自動車通勤から電車&自転車通勤に変わったので、早寝早起きするようになり、運動量・食欲・清潔意識は人並み程度に上がった。

ギンギンに筋肉が目覚めた状態で会社に着き、野菜ジュースを飲むようになり(ミニッツメイドのは旨い)、そんなことをしている自分に喜びも感じた。頭皮は、皮膚炎が嘘だったかのように良い状態。

それから、2ヶ月以上散髪に行っていなかったので、増えた感覚は余計に多めだった。



◆5月26日
皮膚科に翌月分を貰いに行く。
助手さんに「 今回はどうしました? 」と聞かれ、前回と同じ薬を処方して欲しいと伝えた。
先生には
「 おぉ、だいぶ良くなったね。これからますます楽しみだね。お腹ユルくなるとか副作用は出てないかな? 」
と聞かれ、「 はい大丈夫ですっ 」と答えた。元々ユルいから変化無し、ということで。

そして
「 ホントに6ヶ月でフサフサになった人もいるからねぇ、一緒に頑張りましょう。
  今度からは異常がない限り、見せてくれなくても良いから、受付で直接薬を貰えるようにするよ 」
と言ってもらった。



◆それから1ヶ月の変化(5/26〜6/23)
髪を切り、再び車生活に戻った。
皮脂量が減ったと思ったのは気のせいだったかもしれない。前頭部の毛穴から液体が吹き出して光に反射している。

これは皮脂なのか汗なのかは分からないけど、気にしないことにする。

頭頂部は外側から回復して、以前よりもズルムケ面積が少なくなっている。しかし毛量はまだ少なく、分け目やトサカなど作れないレベル。

前頭部は産毛より幾らかたくましい毛が生えて来ている。まだ全然安心は出来ない。

副作用は特に感じない。むしろ、薬の本来の作用で前立腺の調子が良くなったのか、精液の” 抜け具合 ”が良くて、射精欲が強まった気がする。



◆6月23日
皮膚科の受付には「 薬処方のみ希望 」という受付カードがあったので、書いて出した。
アトピーとか慢性的な皮膚病の人は、こういうシステムがないと負担が大きいのだろう。

やはりそれでも、診察券と保険証は一緒に出すように言われた。
別の日に口腔外科と禁煙外来にも行ったが( 別記事でUP予定 )、プロペシアを服用していると言っても問題にはされなかった。



◆7月13日現在
相変わらずハゲはハゲだが、回復は極めて順調で希望が持てる。
ちなみに夕食後、眼精疲労防止の為のブルーベリーエキスと一緒に飲んでいる。
他にはサプリメントや育毛剤は使用していない。



◆余談
先日弟と会ったが、やっぱりヘア・フォーライフはすごい。髪のボリュームに圧倒された。
俺はプロペシアでやったる。

2007年07月13日 03:17 
健康 (プロペシアの記録) | comments(9) |

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