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加害の心理 17

フリスクを買いに行こうとしたら罰金40万を背負うことになった! 
新聞掲載! 言われ放題! 免許没収30日!
ハッキリ言って、こんな脅威は二度と御免だけど、またやってしまいかねない自分に腹が立つ。
ではどうすれば良いのか、警察や検察の人に言われたこと等を合わせて考えた末、今後の車の運転には「警戒心」が必要という結論に至った。
夜道なら見えないものを警戒する。道が狭かったら飛び出して来るものを警戒する。こちらが優先でも他の車に警戒を向けるetc‥‥。
いくら反射神経が凄くても、慣性が働くから急に止まれない。
警戒心を持って、要所要所でそれなりの速度に落として運転すれば、事故を起こすことも巻き込まれることもほとんど無くなるんじゃないだろうか。
つまりは五感に頼るだけではダメで、心のアンテナを新たにもう1本立てる位でないと、安全は成り立たないのではないだろうか。

しかし考えてみると、事故を起こした俺や、一緒に処分者講習を受けた人達は、平常心すらも危ういのかもしれない。
何もしなくても眠気が押し寄せ、タバコを吸いたいと思い、喉が乾き、収まらないのでイライラし、朝から疲れている。その他に不安・プレッシャー・衝動などが重なって人を寄せ付けない状態になる時がある。
脳内にたくさんの警告信号が出されて、常に混乱している。
信号を上手く処理出来ず、ひとりで勝手に溺れている人間が問題を起こすんだと思う。
だからまずは正常な体を目指さないと、再び事故を起こして罰金が重なる事態になると思った。

もしあの日、現行犯逮捕で刑務所に入っていたら、今頃どうなっていたことだろう。
現役の囚人のブログには、体調不良になっても、マトモな治療を受けられない場合があると書いてある。
それを思うと、無事に抜歯手術が終わって痛みから解放されたのは、幸運で順調なことに思えて来た。
あれほど恐れていた借金だったが、これからの自由な時間で少しずつでも作って返せるのだから楽に思えて来た。


そんな屁理屈で消費者金融に頼るのは間違いだと、ノレさんには批判される毎日だった。
危機感が無さ過ぎる。人間なんて脳のつくりは皆一緒なんだから、やる気を出すか出さないかなんだよ。
お金が必要なら昼夜問わず働くべし。仕事なんか選んでないで、道路工事でも何でもやるべし。
私ならそうする。3時間寝れば充分。体力には自信があるし、いざとなったら国家資格で開業も出来るんだから。
‥‥そこまで言われると、寄り添うのは無理な気がして来た。実際ノレさんは先日まで、日中の仕事の他に、弁当工場で夜勤のバイトをしていたのだ。
体の酷使は事故に一番近いことだと思うから、感心するしかなかった。

だいたい私は楽しい恋愛関係なんか望んでいない、人生のパートナーとして傍で支えになって欲しいんだよ、とも言われ、気持ちの違いをますます感じた。
一人っ子の彼女の為に大阪に住み、就職活動する‥‥関西弁に囲まれて暮らす覚悟は俺にはまだ出来ていなかった。
ノレさんは早く相応しい人を探した方が良い、マイナスだらけの俺を相手にするのは時間の無駄だと思った。
まだ一度も顔を合わせていない関係だけど、別れに向かっていた。



[6月18日(月)]
一次更衣室で上着を脱ぎ、二次更衣室で防塵服とマスク・ゴム手袋・ブーツを着用し、防塵室に入る。
この職場で迎える最後の月曜日。風邪はまだ治ってなくて、熱でずっとのぼせている感じ。
課の皆は、俺が水曜日に退職することを上司からのメールで知って驚いたらしい。
1人1人に何故辞めるのか、次はどうするのかを聞かれ、ついでに「あの上司が嫌なんでしょ? 私も辞めたいよ」とか「辞めて正解かもな、この会社にいても将来不安だからな」などと本音を打ち明けられた。
正直俺は何も考えられないんです。今は自分を変えなきゃまずいって、本能だけなんです‥‥なんて答えていたら、キチガイ扱いされただろうか。

[PM20:20分頃]
夕食後、父が部屋に入って来た。父は
「罰金の期限もうすぐだろ? 金あるのか? サラ金から借りるのは絶対ダメだからな。無いなら何とか用意して貸すぞ」と言った。
そんなに甘やかさなくても良いのに、と思いながらも、借りることにした。
結局、消費者金融には行かず、親から20万円用意してもらって罰金に充てた。

40万円

[6月20日(水)AM8:10分頃]
最後の出勤日だというのに遅刻寸前。時間に追われていては警戒心は発揮出来ない。朝の目覚めを変えるだけでも効果は大きいのではないかと思う。
裏通りから大きい道路に出る時、横方向から自転車で出て来た老人をあやうく轢きそうになった。
急ブレーキではなく、停止線の前後での「二段階停止」を忘れていたらぶつかっていた、という状況だった。
よりにもよってこの日、急いでいる時、この時間には珍しく人が来た所に、居合わせたのである。
免停中にパトカーが偶然に通ったことや、偶然に落とし物が拾われたのと一緒で、正しい行いがされているか、大いなる力によって試されたのである。逆に言えば、正しい行いをしていなければ、大変なことになっていた可能性がある。
この世には映画『マトリックス』のような空間の果てがあって、「矯正力」と呼ぶべき監視の力が働いていると感じた。


[PM16:40]
以前退職した女性は、去り際に花束を貰って泣いていたが、俺は解放感の方が大きいから、泣かない自信があった。
机とパソコンの中を空にして手持ち無沙汰になったので、月曜のメールはどんな内容だったのかI君に見せて貰った。
「MASさんが20日を持って契約期間満了の為退職されます。(中略)餞別ですが、MASさんは男性なので花ではなく現金にしましょう。1人500円ずつ御協力お願いします」
と書いてあった。
ああああ金! 金! 俺の欲しかった金! 上司は、俺が罰金で困ることを察してくれたんだと思った。ここで泣きそうになった。
そして定時になり、皆の前で挨拶した後、この餞別が入った祝儀袋を貰った。
俺の知らないうちに誰かが金を集めて、新札に替え、達筆な誰かが筆ペンで俺の名前を書いていてくれたんだ。どうしようもない加害者なのになー、と思うとますます泣きそうになった。
親に借りた20万円よりも、ここに集まった10人分の金の方が重い気がした。

つづく

2007年11月13日 04:34 
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加害の心理 18 最終回

[6月21日(木)]
銀行で罰金を納付した。手数料は取られず、税金を払うようなあっさりした感覚だった。
これで刑務所行きは免れたが、罪が消えた訳ではなく、あと5年は前科として残るという。

[7月13日(金)]
保険会社から病院へ、被害者である旦那さんの治療費を支払ったという通知を受けた。
13,170円だった。

[7月19日(木)]
保険の契約更新をした。もし事故が解決していないうちに他社の保険に乗り換えたら、ちゃんと対応してくれるんだろうか。

[7月27日(金)]
保険会社から病院へ、被害者である奥さんの治療費を支払ったという通知を受けた。
290,740円だった。

[7月30日(月)]
保険会社から俺の通帳に、見舞金として2万円が振り込まれていた。


[9月20日(木)事故から175日後]
損害賠償の誓約書被害者である奥さんから手紙が届いた。
会社の健康保険から給付金を貰いたいので、書類に加害者として署名して欲しいとのことだった。
しかし書類は厳しい文面で、この健康保険組合に金を払う約束をしろ、という内容だったので恐ろしく、安易にハンコを押すことは出来なかった。
俺の方の保険会社の人に相談した所、こういう損害賠償に当たる金は当社で一括して支払うことになっているからいきなり請求されることはない、被害者方も知っていてるはずだけど、改めて一筆してはどうでしょうか、と言われた。
そして、こういう書類は通常、連帯保証人の署名が無くても通るはずだと教えてもらった。
奥さんは通院生活を終え、8月から仕事に戻ったと聞いた。



[11月14日(水)事故から約7ヶ月後:現在]
秋に予定されていた奥さんの手術はまだ実施されておらず、損害額は確定していない。特別なトラブルも無し。
5月から始まった俺の頭のボンヤリ感は8月中まで続いた。
その間、事故の要因である体の異常信号を減らすべく、コンタクトを作り、虫歯と歯周病を無くし、禁煙その他の脱鬱行動を始めた。悪いのをそのままにしておくと40万を支払う事態になる、というのが信条になった。
そして1つ歳を取り、少しずつ行動意欲が戻って来た。もう自分のことをダメ人間と呼ばないことにした。

8月から10月末まで期間限定の仕事をしていたが、現在無職。親から借りていた金は返した。
車の運転では、以前より危険が見えるようになった。曲がる際は新たに、目視の他にサイドミラーを見るようになった。って、これは当たり前だっけ?
ノレさんとは結局一度も会わないまま、仲の良い状態で交際が終わった。今度は勝手に妹と思って大事にすることにした。

なんだか自分のことばかりになってしまったな。
人を病院送りにしておいて、ヒドいよね。
おわり

2007年11月14日 04:11 
日記 (プチ事件・トラブル) | comments(7) |

夏のドナドナ生活

8月6日から10月31日までしていた生活をここに記録する。


朝6時過ぎ起床。テレビは 『やじうまプラス』 に限る。

7時に家を出て、車で派遣会社の事務所へ向かう。
田圃を突っ切るように開通した、二車線のまっすぐな道路を通る。この道が無ければ渋滞の市街地か、遠回りしてバイパスを通るしかなかったので、時代の進化を感じる。

7時半事務所到着。ここから20人程の仲間と一緒に派遣先の会社に送迎される。
と言っても配属部署は皆バラバラで、残業する人しない人、交替勤務がある人無い人などがいるので、いつも同じメンバーで同じ車に乗るという訳には行かない。
今日の君はハイエース、帰りはエスティマに乗って、などと割り振りされるのである。
しかも運転するのは仲間のうちの誰か、なので、短気なオッサン(Oさん)が運転手だったりすると神経が擦り減る。

事務所を出て少し行くとセブンイレブンがある。そこで皆降りて昼食を買う。パンやカップ麺をすぐに食べ始める人もいる。
それからトンネルを3つ抜け、【けもの飛び出し注意】の標識を見、ラジオとケータイの電波が入らない状況の中、山間の集落暮らしを気の毒に思いながら、1時間掛けて山を越える。
そしてコチラとは違う方言の地方に着く。
始業は9時。それまで少し時間があるので、一人でこっそりストレッチ体操をする。
体が硬くて前屈が苦手でも、片手なら床に届くはずだから、その腰を伸ばす感覚を掴めば両手が付くようになるとテレビで知った。実際に出来るようになったので、維持しようと思っちょる。


この工場は、正社員の指示の元で、派遣社員が手足となって働くスタイル(業務請負)だから、派遣社員が圧倒的に多い。
つまり必然的に奇人変人が集まって来ているのである。
老若男女多国籍、体型、髪型、肌の色など容姿は様々、隣りの県から2時間半掛けてやって来る集団、鑑別所や拘置所経験者、心の病を隠して働く人もいるのだった。
俺はこれまでの職場では、肌の色が白いのを珍しがられてウザく思っていたが、ここでは単純に【そーいう人】になるのだから楽にも思った。
貯金は無く、給料が週払いでなければやり繰り出来ないレベルの人達がゴロゴロ居るのには驚いた。俺もそのうちの一人だったのだが。
人を刺した話をするヤンキーと一緒の車で来て、銀髪のギャル男と向かい合って仕事をし、クラブDJと並んで昼食を取り、ヤリマン子の70人達成の話を盗み聞きしながら帰る俺!
仕事中、中国人に 「スイマセン、これで良いか?」 などと話し掛けられる俺!
我が派遣人生は、行き着く所まで来た、と思った。


昼休みは40分間。弁当は高いし、腹に入れば全部一緒だよ、とカップ麺を食べる人が多いのには驚く。親知らずが痛くて、カップ麺を噴き出しそうになっているオッサン(Oさん)にはハラハラする。
食後はトイレか水飲み場で歯磨きして、机に突っ伏して昼寝が出来たら俺的には完璧なのだが、ここはまずトイレが酷過ぎる!
工事現場にあるような、簡易トイレなのである。
暑くて臭くて汚くて流れが悪くて、おまけにすぐ隣りが喫煙所なのだから、排便音がまる聞こえなのである。
工場の奥の方に水洗トイレを発見するまで1ヶ月間、プチ潔癖な俺はゼツボー的な気持ちで過ごしてしまった。
タバコ吸ってる横でウンコする男

しかし水洗の方だっておかしい。入り口は全面ガラスだし、個室のドアは開けると小便中の人にぶつかる作りになっている。
社員の人が2日おきに掃除することになっているらしいが、石鹸はいつまでたっても補充されなかったので頭に来て、俺が家から牛乳石鹸を持って行った。それ1個が無くなるまで1ヶ月掛かるのを確認した。
結局歯磨きは諦め、ポスカム(ガム)を噛むことにした。昼寝は作業場で、あぐらの姿勢で出来るようになった。


定時は18時。急いで駐車場へ行かないと、残業すると思われて帰りの車は出発してしまう。
俺は一度だけ置いて行かれたことがある。帰る手段が無くなって仕方なく、派遣会社の営業の人に迎えに来てもらったのだった。
送迎の車の中は、話題1つで皆盛り上がっている時もあれば、運転手1人を残して皆寝ている時もある。何しろ外は暗い。
自分の車で行く人もいるが、仕事以外で疲れるのは嫌だし、事故の可能性が大きくなるので俺は断固拒否した。
送迎の運転も拒絶した。車は何度か事故を経験しているらしく、ドアが内側から開かないとか、何もしなくてもフロントガラスがガタガタいうとか、色んなオイルが切れて操作が重くなっているなんて恐ろし過ぎる。

そして派遣会社の事務所から、朝来たまっすぐな道を通って帰る。道の周りに街が出来始めていて、日ごとに店が増えて行くのを頼もしく思った。賑やかになると同時に、道が混み始めて複雑な気持ちにもなった。
家に着くのは19時半頃。残業しなくても残業したような時間である。ちなみに俺は、残業も交替も無い職場に回されてラッキーだった。
ちょっとした衝突はあったが、比較的順調に3ヶ月が過ぎた。
昼寝から目覚めた時、目の前の壁に開いた穴からニョロ〜と蛇が出て来て、俺が第一発見者になって社員に報告、一時騒然となった、なんてことがあったけれど‥‥。


時給は皆850円。ここいらではサービス業のバイトより少し良い位。土曜も祝日も出勤で、休みは日曜のみ。
仕事自体はすごく簡単だが、立ち作業と移動疲れで俺はバタンキュー状態で、ブログ更新が止まっていた理由でもある。週3ペースでセックスしているというオバチャンを尊敬してしまった。
素晴らしく効率が悪く、刑務所と大差ないような生活だが、日勤で月契約で出来る仕事はこれしかなかった。

11月から失業保険暮らしを目論んでいたが、この仕事を失業認定日の直前までやっていたので証明書類の準備が間に合わず、受給は1ヶ月延期になってしまった。
昔に比べて、職業訓練校での勉強で取れる資格は増えている。11月20日から始まる講座で経理事務を学び、簿記2級とMOS検定を受けられるようになりたいと思っていたが、先日の選考試験で落ちてしまった。
20日までの間に大阪に行きノレさんと会い、将来の決意を固める気でいたが、ノレさんには10月31日で振られてしまった。
今は他の講座を受ける準備をしている。

2007年11月19日 23:38 
日記 (写真・イラスト付き日記 vol.1) | comments(0) |

愛煙家vs嫌煙家

ドナドナ運ぶ社有車が満杯の時は、誰かが自家用車を出して仲間を乗せて行かなければならなかった。
これは、嫌煙家のKさんが、愛煙家のOさんと禁煙中の俺を乗せて帰った時の話である。

愛煙家vs嫌煙家

2007年11月23日 04:02 
マンガ (衝動マンガ) | comments(0) |

こんな所にタマゴちゃん

Tシャツを着ようとしたら首の所に異物を発見した。
たまごTシャツ

よく見るとカマキリの卵だった 冷や汗
カマキリの卵

気持ち悪い。
何で服の上なんだ? 不自然。
カマキリがわざわざ物干しを登って産み付けたっていうのか。

今年は悪夢みたいな信じられない光景に出くわし過ぎだ。
「またかよ」ってガッカリしてしまう 悲しい
つまようじで引き剥がして外に捨て、Tシャツは再び洗濯した。

形と大きさからして、卵はコカマキリのものらしい。
「カマキリが高い所に産卵すると大雪」という言い伝えがあるらしい。
必死の産卵だったのかな。


虫眼鏡 関連するかもしれない本】
カマキリは大雪を知っていた―大地からの“天気信号”を聴く (人間選書)

著者:酒井 与喜夫
出版社:農山漁村文化協会
発売日:2003-10

2007年11月24日 23:56 
日記 (写真・イラスト付き日記 vol.1) | comments(2) |

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