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40歳過ぎてから見る「北の国から」

「北の国から」は、1981年から1982年にかけて24話が放送され、その後数年おきに特別編(全8話)が制作され、2002年に完結した、日本を代表するドラマである。


途中途中しか見ていないけど、面白いのは知っていた。

恋人と同じ時間に同じ映画のビデオを見て、感想を語り合うという遠距離デートを真似したし、 AV女優を恋人にできるか、という問題は今でも時々考えさせられる(笑)

家には24話分を録画したビデオがあるが、改めて最初から見たいとは思えなかった。

ところが、軽作業(俺の場合はオークション品の梱包)をしながらだと、ラジオよろしく気楽に見られることが分かった。

この歳になって初めてドラマの「ながら見」を覚え、特別編をかき集め、時には笑い、時には涙しながら、最後まで楽しめたのだった。



■表面的なこと
序盤は、牧場から牛が逃げたとか、屋根の裏にイタチが住み始めたとか、そういう当たり障りのない話が繰り返されるのだろうと思っていた。

しかし実際は、主役の黒板五郎(田中邦衛)が変人で、牧歌的とも道徳的とも違う、エキセントリックな展開が待っていた。


振り返ってみれば、不倫に始まり、不倫に終わるような話だった。

エロ要素はあちこちに散りばめられていて、雪子おばさん(竹下景子)をはじめ、
凉子先生(原田美枝子)、こごみ(児島美ゆき)、沢田妙子(風吹ジュン)、アイコ(美保純)、タマコ(裕木奈江)、シュウ(宮沢りえ)など、
出演する女優にムラムラしたらエロ画像をすぐに検索できるから今の時代はありがたい。


ネットも携帯電話もなかったあの時代。
電話一本、手紙一通を待ちながら日々を過ごす心境は、今の人には実感しにくいだろうか。

滅多に手紙を書かないのなら、「前略」から始まって、言いたいことが溢れ出るようなナレーションの味わいは分からないかもしれないな。


時代と言えば、今は亡き懐かしい俳優たちが、けっこう重要な役で出演しているのも感慨深かった。

大滝秀治、笠智衆、伊丹十三、レオナルド熊、古尾谷雅人、菅原文太、室田日出男、そして地井武男‥‥。
これで演技は見納めかーと思うと、日本の俳優たちの足跡を刻んだ、貴重なドラマに思えた。

逆に、演技してると感じさせない田中邦衛は、本当はすごい人なのではなかろうか。

関根勤のお得意の大滝秀治のマネや、とんねるず石橋の田中邦衛のマネは、あまり似てないことが今更ながらに分かった。
それから、以前は岩城滉一と寺島進の区別が付かなかったが、ようやく自信を持って答えられるようになった(笑)


ここ10年位の間に、「水曜どうでしょう」や「最終兵器彼女」が出回ったおかげで、北海道弁も楽しめたべさ。

北海道には修学旅行で行ったから、札幌雪まつりと「けやき」の味噌ラーメン位しか興味がなかったが、富良野のラベンダー畑や、羅臼の流氷も見に行きたくなった。
富良野の「北の国から資料館」は去年閉館してしまったらしい。それが残念でならない。




■特に感動したシーン
1. 純(吉岡秀隆)が、夜中に警官から職務質問を受けて泣いちゃうシーン。
保護者がいないのは他人から見れば不審なことだが、当人なりの事情があるし、当然のように聞かれると傷つくものなんだな。

2. 五郎(田中邦衛)が純の過ちを責めたりしないで、「一緒に謝るっきゃない。父さんは謝るの年季入ってるから、マネしてなさい」と笑うシーン。

3. 純の求婚シーン。なりふり構わずこういう風にできるようになったら大人だよなぁ。
ダウンタウンの松本氏は最終話の「2002遺言」は無くても良かったんじゃないかと言っていたが、純の成長を描ききる上では外せないと思う。



■カタルシス
五郎は自分を変人だと自覚して、人と比べてどうだとか、世間ではこう言うから、といった視点を持とうとしなかった。

すなわち、人それぞれの事情があるのを考慮し、人に対して文句を言うべきではないと考えるのだった。
それが一貫していて良かった。

昨今の、ネットから得たミニ知識を根拠にして人を攻撃する風潮に嫌気が差していたから、気持ち良かった。



■おすすめの鑑賞方法
特別編は8話といっても、前編・後編に分かれているものがある。
全部を見ようとすると、DVDは24枚になる。

まずは、DVDを貸し出ししている図書館を探しても良いかもしれない。

レンタルショップからまとめ借りするのも手だが、DVDはやはりオススメしない。
なぜなら、自動再生で勝手にハイライトシーンが流れて、ネタバレしてしまうから。
何度もふざけんなよ!と思った。


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月末までに解約すればお金は一切かからないからオススメだ。

2017年03月05日 05:16 
娯楽 (映画・テレビ・DVD) | comments(6) |

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